Love Box:)







あたしはこのままじゃだめなのよ。



『ね、たっちゃん?』

「なぁに」

『あたしたち、もう何年になるかしら。こんなふうになるの』


真ん中に湖とボートがある公園。

小学校からの帰り道にぶらり、ぶらり、その周りをさ迷っていたあたしはふと顔をあげた。

同じランドセルを背負った子が居た。でも彼のは赤で、あたしのは黒かった。




「んー。…あ、ちょうど10年になるんじゃないか?」


彼が長い睫毛を何度か揺らしてひらめいたように言った。

ふぅん、10年か。それじゃああの時に生まれた赤ん坊はもう10歳になるのね、なんてのはよくいった話。




『ソフトクリーム』

「メロンバニラ味」


あたしの言葉に得意気に即答するたっちゃんに少しほっとしているあたし。

でも、それじゃだめなのよ。

さっきから頭の中のオンナノヒトがうるさい。










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