Love Box:)
幻聴、だ。幻聴が聴こえた。素直に受け流そう。
何気ない一言。対した意味合いはないのだろう。
それなのに、それなのに私の頬は急激に朱みを増して紅潮する。
…熱い、困ったものだ。
「す、みません。横田さんが無理言ってくださったみたいで」
『あぁ、全然いいよ。あいつとは、仲良いから』
横田さん、の口効きのおかげで私はこうして彼と話せている。
ちなみに私はまだ彼の目に入ったこともないし、話すのもこれが初めて、だ。
『――ねぇ、桜さん』
「っ、はい、なんでしょう」
『今度食事でも、行きますか?』
(………………)
嗚呼、誰か夢じゃないと、言ってください。