Love Box:)
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あれから早いもので10年が経つ。
ちょうどみちると過ごしたのも10年だった。
あれから一度も誰とも付き合うことをしなかった俺にも転機が訪れようとしている。
桜色のあの子とまた会えることになったから――。
(…ん、手紙?)
桜 香と5年ぶりに再会するため、といっても向こうは二度目だなんて覚えてもいないかもしれないが、これから彼女を迎えにく。
家をでようとすると郵便ポストに一通手紙が紛れ込んでいるのに気付いた。
(…エアメール)
海外からのそれに裏返して送り主を確認する前に俺の心臓はどくん、と一回波打った。
一気に高まった体温をリアルに実感して――固唾を飲むと意を決してこの手紙の差出人の名を確かめた。
【From:Michiru Morisaki】
あぁ、懐かしいその名前を目にして。
俺の呼吸は一瞬とまった。