Love Box:)








「……」


読み終わったあと、俺は呆然とその場に立ち尽くしていた。

どきん、どきん、と高鳴っている胸は治まらず、けれどどこか胸に詰まっていたものがゆっくりと溶け出すような感覚もおぼえていた。

10年ぶりのみちるの言葉に。


みちると別れてしばらくの頃、よく聴いていた曲が無意識に頭を流れた。


“君が戻りたいのならば知ってるだろ、僕はだめとは言わないよ。

だから戻らないで、君を行かせたくなくなるから。

僕らの扉はもう閉じられた。

君のいない毎日に穏やかさはない。

それでも、君にもう一度僕を愛してほしいのかどうかわからない”


和訳するとこんな感じだったと思う。











< 86 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop