もしも雪なら

食事が終わった後
俺はソファーに移動してテレビを見る。
そして、天花が膝に座る。
もう、そこが定位置らしい。

天花が小さくて邪魔にならない、と言う理由もあったが、自分のペースを乱して来ないと言う明確な理由もあり、邪険にする必要性がなく、なすがままだった。


一方でお袋も何ら変わる事なく、食事の後片付けをし、ビール二本と飲むヨーグルトを持ってリビングにやってくる。

それぞれに飲み物を渡し、三人でテレビを見始める。



暫くして気づく。

それは、俺と天花の笑うツボが同じこと。
タイミングや吹き出す瞬間、思い出し笑い。


こんな光景、前にもあったような…


思い出せそうで思い出せない記憶に再び頭が病んだ。




「ガクちゃん?」


「ん?」


「少し寝たら?頭痛いんでしょう?」


「だいじぶ」




ほら、またそうやって曖昧なボールを投げてくるから、
取り出せそうな記憶があやふやになるだろ…


面倒な事を投げ出すのは、とても簡単だ。
ただ放棄すればいいだけなんだから。

マンガやドラマで見たように、天花と言う天使を「破棄」するだけでいいのかもしれない。


でも…
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