もしも雪なら

「眠い?」


「ん…だいじょぶ。ゲームしてるんでしょ…?」


「もう落とすよ」


「いいの?」


「俺、一時間は寝るって決めてんの。5時起きだし寝るよ」


「はぃ…」




正直に言えば疲れていた。

何より、チクチクと病んでる頭を休ませたい。





「電気消すよ」


「うん」



「はー、さみぃー。…おやすみ」


「おやすみぃ…」





参ったな…

寝れない。

まだ身体が高潮しているせいか?
酒飲めば治まるか…


そう思って身体を半分起きあがらせようとしたが無理だった。

腹の上に天花が寝ている。


その顔はやっぱりハムスターに激似で、思わず吹き出しそうになった。




「あ…」



小刻みに揺れる腹筋に天花の目がゆっくりと瞬きを繰り返す。

そして、大きな欠伸をひとつして
「眠れないの?」と聞いてきた。


俺は鼻で笑って
「トイレ。でも止めた」と誤魔化し、再び布団に入る。

すると、ガサガサとした音と共に天花がこっちに向かってくるのが分かった。





「何して…っ」


「おまじない」



口を開く間もなく、触れた生温かい感触。

そのまま身体の上で寝始める天花。


俺は呆然としたまま、オデコを触っていた。
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