もしも雪なら
消滅
千梛と出会ったのはネットの中。
それだけは絶対ないと思ってたけど、コイツならいいと思って付き合った。
美人なタイプじゃないけど可愛いと思ったし、何より気が合う事が一番の決め手。
でも、その付き合いは僅か3ヶ月と言う短い期間で終わってしまった。
アイツが抱えた肝心な不安を取り除けないまま、自分を押し付けて…
元気でいるといいけど…
空港に着き、携帯をチェックしてみるが着信もメールもなし。
昨日、まだ残っていたアドレスにメールはしている。
電話は何となくしづらかった。
エラーメールもないから、まだ今も使ってるんだろう。
取りあえずは、昔貰った手紙の住所に行ってみるか。
いや、
いきなり行っても迷惑だな…
俺は迷った挙げ句、もう一度だけ千梛にメールを送った。
[お前の住んでる街に来てる。
駅の近くの国際ホテルに泊まる事にした。明日、観光して帰るよ]
なんて素っ気ないメールだろう
だけど、俺にはこれが精一杯。
会いたいとか、会いに来たとか今更言えるワケないし…