もしも雪なら
コタツ布団を洗濯機に放り込んでセットをし、冷蔵庫から新しいビールを取り出して止める。
理由は明確。
この後にある女との話し、それは酒を飲みながらする事じゃないから。
ビールを元に戻し、オレンジジュースをコップに注ぎ、飲むヨーグルトのパックを手にコタツまで行き、腰を下ろす。
女の前にオレンジジュースを置くと、少しだけ唇をとんがらせたが、それは見なかった事にした。
「で、お前だれ?」
「てんか。天に花って書いて、天花」
「天花ね。で、ここで何してんの?」
「別に何も?」
これは…もう
面倒くさい。
順序を追って整理しながら理解しよう思ったが、どうやら相手、天花は普通ではないらしい。
いや、普通じゃないのは最初から分かっていたが、話しも通じないとは思いもしなかった。
「お前なんなの?さっき、屋上から飛んだの…あれ、お前だよな?」
自分の質問に確信は持てない。
でも、現状的な事を整理すれば、その質問しか出て来ない。
天花は俺を不思議そうな顔して見つめた後、自分の前に手をかざし、何かを払うような仕草をする。
その手のひらを伝いながら、青白い画面のような物が浮かび上がった。