もしも雪なら
「隣、いい?」
「どうぞ」
「ね、どうゆうコがタイプなの?」
「ないよ」
「そうなんだー」
このコ、誰だっけ?
なんて枝豆摘みながら考えつつ、お決まりの質問には紳士に応える。
「ボク、ミッキー!君は?」
「あはは。アタシはミニー!」
「飲み物は?」
「あ、じゃぁ同じので」
楽しませる事だってするし、気遣いだってする。
それは誰に対しても同じ。
でも、少しは期待する。
男だし。
「お酒強いの?」
「ぜーんぜん。ガクちゃんは?」
膝に置かれた手とか
「ガクでいいよ。俺は強いらしいよ」
「らしいんだ?」
チラリと見せられた胸の谷間とか
「顔に出ないし、次の日ケロッとしてる」
「へー。じゃぁ強いんだね」
少し首を傾げて上目遣いに見てくるとことか
「まぁ、毎日酔っ払いだけどな」
「そうなの?見てみたいなぁ」
何でだろ
なんも感じない
なんにも。