じゃあさ、俺が教えてやるよ。
運命の再会。
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「主任、これ例の書類です」
「ああ。ここに置いといてくれ」
あの日から二年が経った。
俺は出世し、今では企業部の主任を任されている。
「高梨さん。今日だっけ?新入社員が来るの」
「はい。うちの部署には一人来るみたいです。女の子が。…あ、来ましたよ」
入り口付近で、おどおどしている子が居るから、多分あれがそうだろう。
「高梨さんに任せるから、慣れるまで世話してやって」
「わかりました。…西宮、こっちへ。主任に挨拶して」
「は…はい!あ、あの。西宮です。よろしくお願いします」
西宮と呼ばれた彼女は、かなり緊張しているらしく、顔を真っ赤にして喋っている。
「西宮…柚…」
ネームプレートに書かれている名前を不意に口に出して言ってみる。
「は、はい。あの…」
「いや、何でもない。じゃあ高梨さん、あとはよろしく。俺は会議に行ってくるから」
まさか、な。
ただの同姓同名だろう。
あの、柚なわけない……。