じゃあさ、俺が教えてやるよ。
「うん。…久しぶり、南にい。やっと見つけた」
そんな気はしていたが、まさかほんとに…柚なのか?
「どうしてここに」
「この会社に就職したんだ。そしたら南にいが主任でびっくりした。あの日以来、連絡取れないんだもん」
「…そうか」
「家に行っても引っ越しちゃってるし、どうしようかと思ってた。でもまた会えたし、良かった」
「森とは?」
「続いてる。もうすぐ二年になるよ」
「そうか」
あの頃と変わらない無邪気な笑顔を、俺に向けてくる。
…眩しい。
「南にい…?」
気が付くと俺は、…柚を抱き締めていた。