イマージョン
「ほらゆったでしょ?何かウラがありそーって」
「確かにね。あたしは、そこまで嫌いっつーとこまでいってないけど」
「まーあんま相手にしないよーにするー」
私は元々は引っ込み思案だった為、影が薄いだの言われたり、からかわれたり、いじめにあわないかビクビク生きて来たから、いじめをする気は全く無い。小学校3年生の頃の先生の体罰も辛かったし、いじめられる側の気持ちが何となく分かる気がするから。だから、いじめるのでは無く、当たり障り無く、接する事にすれば良いだけの話しだ。多少の嫉妬は有っても。
「…ぃらっしゃいませぇ」
蚊が飛ぶ音位小さな声で勇気を出して、ぼそりと声に出してみる。山下さんが傍で品出ししていたから、叱られると思い声を絞り出したら、何とか耳に入ったのか、
「亜紀さんくらいに、もっと大きな声出してー」
と、先程よりは軽く注意をされた。でも、山下さんの耳に声が届いただけでも安心した。だけれど本当は、お客さんに聞こえなければ意味が無い。山下さんは、わざとなのか、私の傍を離れないで品出しをしている。新人なのに優秀な亜紀が入って来た為、落ちこぼれの私に目を付ているのだろうか。夕方の休憩時間まで、あと10分。早くお菓子を食べたい。早く煙草が吸いたい。
「確かにね。あたしは、そこまで嫌いっつーとこまでいってないけど」
「まーあんま相手にしないよーにするー」
私は元々は引っ込み思案だった為、影が薄いだの言われたり、からかわれたり、いじめにあわないかビクビク生きて来たから、いじめをする気は全く無い。小学校3年生の頃の先生の体罰も辛かったし、いじめられる側の気持ちが何となく分かる気がするから。だから、いじめるのでは無く、当たり障り無く、接する事にすれば良いだけの話しだ。多少の嫉妬は有っても。
「…ぃらっしゃいませぇ」
蚊が飛ぶ音位小さな声で勇気を出して、ぼそりと声に出してみる。山下さんが傍で品出ししていたから、叱られると思い声を絞り出したら、何とか耳に入ったのか、
「亜紀さんくらいに、もっと大きな声出してー」
と、先程よりは軽く注意をされた。でも、山下さんの耳に声が届いただけでも安心した。だけれど本当は、お客さんに聞こえなければ意味が無い。山下さんは、わざとなのか、私の傍を離れないで品出しをしている。新人なのに優秀な亜紀が入って来た為、落ちこぼれの私に目を付ているのだろうか。夕方の休憩時間まで、あと10分。早くお菓子を食べたい。早く煙草が吸いたい。