ｲﾏｰｼﾞｮﾝ

天井に窓が付いている為ﾛﾌﾄに差し込む光で目が覚めた。眞奈は何処だろうと下を見るとﾃﾚﾋﾞを付けながら軽く化粧をしていた。昨日逢った時、明日は学校だと言っていた事を思い出した。今日は転ばなかっただろうか。
昨日は優介からの電話の後、数時間してから義則から何度か携帯が鳴った。優介から聞いたのだろう。私はﾑｶﾑｶして板ﾁｮｺﾚｰﾄを食べた。眞奈ちゃんは私に気を遣ってくれて、今日はもう寝よう？と言ってくれた。私はﾑｶﾑｶしながら携帯をｻｲﾚﾝﾄにしてﾛﾌﾄに上がった。2人で眠るには少し狭く眞奈と密着してしまった。私の車幅が広いせいも有るけれど。女の子、可愛い眞奈と2人で一緒に眠るなんて初めての経験で何だか照れ臭さかった。眞奈ちゃんは私の方に身体を向けてくれていた。まるで生まれて初めて男の人の腕枕に居るみたいだった。初めてと言っても私は義則しか知らないのだけれど。あの時は照れ臭さかったのだろうか。…もういいや。覚えていない。また義則を思い出して自分の気持ちが良く分からない事にﾑｶﾑｶしていたら、愛しい眞奈の寝息が聞こえて来て、その寝息が私のﾑｶﾑｶを浄化してくれている感じがして幸いにも、昨日は、すっと眠る事が出来た。