桜の木の下で
第一話
1994年4月28日


学年が変わり、そろそろ新しいクラスに慣れていく時期。


私、花沢新名は今まで通り淡々と勉強して普通に家に帰る日々を送っていた。


正直、人と話すのは苦手でもあり嫌いだ。


人に自分の事など教えたくない。


そこからお互いを傷つけあうなんて御免だ。


なので、私は誰とでもあえて話さずにいるのだ。


クラスでも窓際の隅に座っているので人に気付かれにくい。


私にとってはありがたい。


とりあえず、この読み終わった本を図書室に返しに行かないと。


それにしても中々興味を抱いた作品であった。


ジャン=マリ・ギュスターヴ・ル・クレジオの「モンドその他の物語」という作品。


世界の美しさがよくわかる作品でエッセイである「地上の見知らぬ少年」もとてもいい作品。


他にも、「ロドリゲス島への旅」という作品を読んでみたい。


確か、図書室にあったはずだ。


本を返すついでに探してみよう。


席を立ち、ドアまで向かう。
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