私だけの…
俺は退学覚悟でここに来た。



ここを去ったとしても、瑠奈がいればいい、そう思ったから。





俺が二人の向かいに座ると、二人は俺を見てきた。



「市川くん、この街で有名というのは本当かい?」


学長が恐る恐る聞いた。


「‥はい。」



自分で言うのもおかしな話だ。



「君は総理の孫という自覚はあるのか?」


理事長はご立腹だな。


「‥あるつもりです。」


「それはカツラと言うのも本当なのか?」


俺は何も言わずカツラを取った。




「「っ…。」」



二人は言葉にならない声を上げた。

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