私だけの…
隼人…私…矢野を殺したい…。
私の大切な…私の…。
隼人を奪った、あいつを…。
殺意が芽生えるってこういうことなんだね。
「輝斗、あれから矢野には?」
雅が輝斗に聞いた。
「いや、何も。」
「いつ何されるかわかんねぇぞ。」
「あぁ。」
「瑠奈?」
真由が私の顔の前で手を振った。
ハッと我に返る。
「ごめん。何?」
「どうしたの?」
「ううんっ…何でもない。」
私は煙草を取り出し、火を点けた。
落ち着け自分。
矢野を殺したところで隼人が生き返るわけではない。
でも…許せない。
私は矢野を、許さない。