私だけの…
こうなったら…。
「あっ!!!!」
俺は矢野の後ろを指差した。
すると振り返る矢野。
こいつバカじゃねぇの?
俺はその隙に逆方向に走った。
こんな古い手にかかるやつもいんだな。
後ろから走ってくる矢野。
この辺でいいか。
人気のない路地裏。
ここなら大丈夫だろう。
俺はポッケに両手を突っ込んで、矢野の方を向いた。
「てめぇっ…はぁっ…ふざけんなっ…はぁっ…よ。」
走って息切れしている矢野。
「あんた体力ねぇな。」
俺は鼻で笑った。
おっさんだな。
「うるせぇ!!」
そう言って殴りかかってきた。