私だけの…

輝斗はズカズカ入ってきた。


そしておっさんを私から引きはがす。


「答えろおっさん。おっさんが瑠奈を好きなんだろ?違うか?」


おっさんの胸倉をつかんでおっさんを睨む輝斗。


「あぁ、そうだな。この子のような体が大好きだ。」


「っ!!!きさまっ!!!」





ゾクッとした。輝斗がおっさんを殴っている音は不思議と聞こえない。




私の頭は真っ白だった。



「でも、矢野は哲を裏切った。」





ぼそっと言ったおっさんを置いて、私は輝斗に連れ出された。




輝斗は着ていたチェックのシャツを脱いで私に羽織ってくれた。




そしてラブホを後にした。







マンションに帰るまでずっと手をつないでくれていた。





部屋に入ってすぐ、私はその場に崩れた。


「瑠奈!」


輝斗が支えてくれる。


「怖かった…。」


今更になって体が震えだす。



その体を輝斗は強く抱きしめてくれた。

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