私だけの…

しばらく抱きしめられていると、落ち着いた。


「輝斗。ありがと‥。」



「…。」



輝斗は答えず、強く抱きしめてくれた。



温かかった。




「ごめんな‥。」



輝斗は何度もこの言葉を繰り返した。








数時間後

私はそっと輝斗から離れた。


すると顔を覗き込む輝斗。


「瑠奈。」


私の頬を優しく撫でる細くて長い綺麗な手。


「今日…そばにいて…?」


「あぁ。いるよ。」


輝斗は優しく微笑んだ。


心からホッとする自分がいた。


いつも助けてくれる、いつも優しい輝斗。


私…。











隼人のこと忘れられる、いい意味で…。

そんな気がした。

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