私だけの…
俺は立ち上がり、玄関のドアを開けた。
「雅、もういいから入れ。」
ドアの前で固まったままの雅。
俺は雅の腕をひっぱり中に入れた。
リビングのソファに二人で座った。
「雅、しっかりしろ。」
俺は軽く雅の頭を叩いた。
「お…。」
「…。ばか、ヤってたんじゃねぇから。」
「…。」
雅は引き攣った顔で頷いた。
「で、昨日のことだけど。」
俺は昨日のことを話した。
「何で哲さんの親父が出てくんだ?」
「さぁな。それは瑠奈に聞かねぇと…。」
そのとき。
「おっさんは哲さんのためだって言ってた。」
俺らが振り返ると、制服を着た瑠奈が立っていた。
バスタオルで髪を拭きながら。