私だけの…
瑠奈SIDE
「哲さんのため?」
「うん。子離れできてないんじゃない?あのおっさん。」
私は二人とテーブルを挟んで反対側に座った。
「で、写真を見たおっさんも欲情したって?」
「バカだな。やってらんねぇ。」
「…。」
二人は呆れた様子で煙草に火を点けた。
「でも、おっさん最後に矢野は哲を裏切ったって言ってたよなぁ?」
「うん。どういう意味なんだろう?」
「裏切った…?」
雅は眉間に皺を寄せた。
その時、私の携帯が鳴った。
FROM:真由
SUB:
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おはよ。何で今日は3人とも来ないの??
何かあった??
END
私は時計を見た。
「やばっ!!!もう1限始まってんじゃん!!」
「サボるか。」
「だな。だりぃし。」
「…。」
あんたらねぇ…。
私は真由にいろいろあって、サボりますと送った。
数十分後
ピンポーン
「誰だろ?」
私はインターホンパネルを見た。
すると真由が立っている。
「真由!どうしたの?」
「みんながいないからぁ…。」
「入って。」
私はエントランスの鍵を開けた。
そして私の家に真由が入った。
「で、何があったの…?」
「「「…。」」」
みんな黙り込んでしまう。
「何?」
「真由、落ち着いて聞いて…。」
「???うん。」
私は昨日あったことを全て話した。
真由が傷つくことはわかっていたけど、真実を言ってあげることも、必要だと思った。
真由は大丈夫。私がついてる。
大丈夫。
「そんな…。有り得ない…。」
真由はひどく動揺した。
「真由、もう誰のせいとかじゃねぇ。親父も息子も矢野も全員。」
雅は遠くを見つめ言った。
哲さんは私を好きになった。
その応援をおっさんがして、矢野さんが動いて…。
その結果おっさんまで火が点いて。