私だけの…
嫉妬
それから何も起こることなく月日は過ぎた。
セミの声は聞こえなくなった頃。
授業中。
私の机に紙切れが落ちてきた。
私は周りをキョロキョロした。
すると右隣からクスクス笑う声が聞こえた。
右隣は上田くん。
話したことはない。
私は上田くんを見た。
すると紙切れを指差して「見て」と口パクした。
紙切れを見ると、後で屋上来てと書いてあった。
授業が終わり、屋上に上がった。
景色を見ている上田くんがいた。
私は上田くんの隣に立った。
「上田くん?」
「あっ…ごめんね。急に。」
「んーん。」
上田くんは私の方を向いた。
「あっ…あのっ…その…。」
私は首を傾げた。
真っ赤になる上田くん。
「おっ、俺とっ…………付き合ってください!!!!」
「えっ…!?」
嘘っ…告白!?
「あ…ダメかな…?」
ダメってか…私…。
「斉木くんと付き合ってんの?」
「いや、雅は幼馴染だよ。」
「じゃぁ、他に好きな奴がいんの?」
好きな奴…?
そのとき輝斗の顔が浮かんだ。