私だけの…


夜になっても、まだ親父さんから連絡がない。




俺は瑠奈のマンションの前まできた。





そのとき、携帯が鳴った。


「もしもし!!」


「輝斗くん、矢野ひろしってのは偽名だったよ。でも割り出した。場所は――――。」




「えっ…。」




今から行くにはもうバスも電車もない地域だ。





「俺が行けたらいいのだが…。」



「いえ。俺が助けます。」




「頼むよ。」



「はい。」




俺が歩き出そうとしたとき。





「輝斗!!」

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