私だけの…
「山田拓郎。」
輝斗が低い声で言った。
ビクッとなる矢野。
そして輝斗を驚いた顔で見上げた。
どうして知ってるんだとでも言いたそうに。
「お前死ねよ。」
「っ!!!」
輝斗は今までの顔ではなく、別人のように見えた。
「今警察がお前のこと調べてる。どうする?」
「っ…頼むっ!!!助けてくれ!!!」
「はぁ?お前バカじゃねぇの?」
輝斗は勝ち誇った顔で矢野を見た。
「…。」
矢野は震え始めた。
「俺の知ったことか。」
そして輝斗は私の方に歩いてきた。