私だけの…
私は帰ってすぐにピルを飲んだ。
あいつの子を身篭るのは勘弁だ。
そしてゆっくりお風呂に入った。
お風呂から出ると、雅はソファで寝ていた。
輝斗はソファに座って煙草を吹かしていた。
「ごめんね…。」
「謝るのは俺の方。」
「え?」
私は輝斗の隣に座った。
「守ってやれなかった…。」
私は何度も首を横に振った。
「もっと早くあいつのこと調べていればよかったんだ…。」
「輝斗、私は嬉しかったよ。」
「っ…。」
「私こそみんなを守るつもりが…役にたてない…。」
いつも空回りしちゃう。
私の強すぎる想いは、変化球しちゃう。
「バカ。俺に頼れよ。」
「っ…。」
輝斗は真っ直ぐ私を見つめた。