僕が僕で生きると決めた日
学童期
僕は無事、小学校へ行くことが出来ることになった。家から歩いて15分程の小学校。僕はとても、勤勉だった。学ぶことが今でも好きだ。当時の僕はよりいっそう好きだった様に思う。勉強する時間と音楽がくれる時間は孤独を埋めてくれるから。小学校に入り友達も数人できた。低学年は順風満帆に過ぎていった。塾と習い事の日々と友達と遊ぶことで…。小学校中学年になった時、僕は気がついてはいけないことに気がついてしまう。好きな人が出来たのだ。でも、それはとても許されるような相手ではなく、本当に苦く淡い初恋というのに相応しい初恋だった。相手は小学校の養護教諭だった。30台前半のスラーっと背の高く、劇団四季が大好きな綺麗な先生だった。僕は、いや。私は女の人に恋をしてしまった。とめられないトキメキと相手を想う気持ちの他に、自分は変態なんだと自分を責める心が生まれ始めた。このあたりからだった。僕の身体に異変が起き始めたのは。でも、まだ誰も気づかなかった。自分ですら今となれば、ここが原点かと思えるが当時の自分では気がついていなかった。僕は事あるごとに保健室に通うようになる。熱もないのに、怪我もしていないのに、ただ、休み時間先生の顔を見に、先生と話をするだけに。
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