高校四年生(ラジオドラマ化決定!)



玄関の鍵が開けられる音がすると、俺はすくっと立ち上がった。こんな夜遅くから出ていくつもりか?


何処へ?遷崎が手続きしておいた自宅へか?


玄関の方へ行くと、遷崎は彼女が出ていこうとするのを食い止めるべく説得を続けていた。


「帰るつもりか?もうあそこはいいから、此処で俺達と住め。そこまで学校に拘るなら明日は休んで話し合おう、な」


家族は違うのかな?
幾ら俺を相棒として受け入れようとしてくれても、やはり彼女に対する態度は親身だ。


でも、俺の家族は――。

そして、遷崎の携帯が不規則に震え出す。


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