高校四年生(ラジオドラマ化決定!)



「へぇ、二年半ぶりか。こんなとこで油売りか」

「あんたこそ……三田村って教師が来るんじゃ」

「親が離婚して旧姓になっただけだ、一昔前流行った熟年離婚だ。んなことより俺も疑問があるな、何故お前が美玲の自宅前にいる?どういう繋がりだ」


三田村真弥に戻ったってことか、それなら納得か。でも、どうしてコイツが桐生美玲と……。


「あんたには関係ない。帰ってくれ、二度とあんたの顔見たくないんだ」

「お前が消えろよ。こっちはお前に用はねぇんだ。俺は中野北高校の教師であり、教え子の桐生美玲がイジメにあっているから相談に乗るため家庭訪問してんだよ。部外者は消えてくれないかな」

「あんた教師辞めたんじゃねえのかよ。教え子に恋愛感情持つだけでなく、子供まで……責任取って辞めたくせに。また教壇に立ってるって」


「面倒くさい奴に会っちまったもんだな。離婚したんだよ、親と一緒で遺伝ってもんだな。んで改めて教師として仕事するため高校を渡り歩き、赴任先が決まり今に至るってことよ」


三田村真弥は近寄り俺の肩に手を回し、耳元で囁いた。


「折角、俺が身を粉にして退学防いでやったのに高校中退かよ、情けねぇ。頼むから俺の邪魔だけはしないでくれよ、クズが」


< 146 / 210 >

この作品をシェア

pagetop