高校四年生(ラジオドラマ化決定！)

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遡ること二時間前、
桐生善三屋敷邸内。


前田刑事と柿田刑事は桐生善三からボディーガードの依頼を受け、呆けるぐらいのリアクションしか取れなかった。


「あの、ボディーガードなら勝手に雇えばええんちゃいますの？俺達、本職は刑事なんですから。ねぇ先輩」


「珍しく柿田に同意見です。俺と柿田は今はネット犯罪に携わってますから、生憎貴方に密着する暇は持ち合わせておりません。用件がそれだけなら丁重にお断りさせて頂きます」


当然と言えば当然の反応。桐生善三にもこのような結果になるのは、容易に予測出来ていたはずだ。


「はっはっは……失敬失敬。台本があったかのような展開で笑ってしまいましたよ刑事さん達」


「んだと……？」


「柿田」


柿田は桐生善三の反応に連鎖的に苛立ってしまう。前田が居なければ傷害事件に発展しかねないぐらいに。


「柿田刑事でしたかな、お若いからか、威勢が宜しくて好感が持てますな」


両手を組みながら、柿田を過大評価する発言を繰り返す桐生善三。


「俺はあんたが大嫌いだよ。マジうざ」


「はっはっは面白い。ただねぇ、ワシにはその性格が災いして鮮やかなピンクのネクタイを汚してしまわないか心配ですよ、奥様のように」


「なに……」


桐生善三の表情が悪意に満ち、満ちていく。


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