高校四年生(ラジオドラマ化決定!)



二階堂家自宅マンション。


兄である二階堂薫は大学入学を機に一人暮らしを始め、家は弟の浩人と両親の三人になった。空いた兄の部屋を浩人は自由に行き来する。


「浩人、お兄ちゃんの部屋勝手に入ったら叱られるわよ」


「うっせぇな、別に帰ってこないんだし関係ねぇだろ」


「母親に向かってうるせぇって何よ!」


「何が母親だ、あんた母親らしいこと一回もしたことねぇじゃねぇかよ!ウチの学校の糞オヤジなんかと不倫しやがって、毎晩毎晩飲みに歩いて朝帰りの親なんか普通いねぇよ!親父もどうかしてるよ」



「あの人は大丈夫よ、私しか知らないんだから。あの人も薫も浩人も感謝はされても恨まれる筋合いないわよ、私がいたからアンタ達があるんだから」


「最悪の人生だよ、別の家に生まれたかった」


薫、浩人の母親は16で結婚、出産をして子育てを青春時代に捧げた為、三十代を過ぎてからは反動で夜遊びを頻繁に行うようになった。


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