高校四年生(ラジオドラマ化決定!)



桐生美玲、元所属モデル事務所
“RAIЭU-ライス-”

事務所社長、南雲紀之(ミナクモ ノリユキ)は美玲が行方不明になってからも解雇扱いせず、いつ戻ってきてもいいように活動休業中として席を空け待っていた。


「社長、世間的には美玲は見つかってますが……連絡は未だにつかない。彼女の親である桐生善三氏にもアポが取れない、もう芸能界の道は閉ざされたも同然ですよ」


「柚川(ユズカワ)マネージャー、君は桐生善三を信用出来るか?」


「契約の時に話したぐらいですので。ただ本性が見えにくい人物としか言えません」


「本性……か。俺達も素顔ってのは心許せる者にしか見せないからな」


室内に貼ってある美玲の宣伝ポスターを感慨深げに眺め、南雲社長は今後の事務所について悩んでいた。


「美玲の代わりは居ないよな――」


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