高校四年生(ラジオドラマ化決定!)



若菜は夕食を食べ部屋に戻って数分は電気を点けずに、ベッドに座りジッと呆けるのが日課になっていた。


両親はそんな日課は微塵も知らない。


数分後、電気を点け、桐生美玲が雑誌モデルを飾った、切り抜きの束を机の引き出しから取り出し部屋中にバラまく。


「桐生美玲……」


冷徹な瞳を、床やベッドに散乱した桐生美玲の写真に向けていた。


「絶対に許さない……」

憧れの感情が
ふとした拍子で
崩れると
愛情よりも深い
憎悪が生まれてしまう
それを救えるのは
同じ人物だけ
部外者は立ち入ることさえ
許されない――。



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