高校四年生(ラジオドラマ化決定!)



無言で一歩迫り来るように俺に近付いてきた。が、俺も避けるように後ろへ引いた。


俺の心理状態を察したのか、やはり何も言わず前髪で顔が隠れたままの状態で去っていった。


そのまま立ち竦む俺に声を掛けてきたのは教頭。

「何してる、早く入りなさい」


「失礼します……」


校長室には教頭と校長、クラスの担任が既に居た。副担は来ていない。


俺は徐に退学の旨を記した退学届を提出する。


「確かに。今日中に手続きしておく、もう帰りなさい」


呆気なかった、あんなに退学するまで時間が掛かったのに、封筒を渡しただけで俺は高校生の資格を無くす。


精彩を欠いた俺をこの学校の教師達はどういう目で見ているか明白だった。


ゴミを視るような目、
それがこの学校の思い出だ。


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