高校四年生(ラジオドラマ化決定!)


イジメの実質的なリーダーは、遷崎を余計な真似をしてくれたなと逆恨みをし、同じように彼をクラスから浮くべき存在として扱った。

己がしてきた行いを全く反省していない、寧ろ罪深き者は遷崎の方だと決めつけた。

遷崎は主観的にイジメを受ける気持ちを知った。

だが、決して悲観的にはならなかった。彼らを哀れだと同情し、好都合だと思った。

自らが標的になった方が様々な方面で動きやすいからだ。

遷崎は敢えて、数か月の間イジメを受け続ける選択をした。

反撃の準備をするため、静かに証拠をかき集めていた。


誹謗中傷の落書きの教科書やノート、恫喝する内容が録音されたテープをネットに流した。

再生回数は1日で瞬く間に20万回超え、いとも簡単に拡散される。

それが遷崎の狙いだった。



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