高校四年生(ラジオドラマ化決定!)




コンビニに入ると週刊誌コーナーで表紙だけを一冊ずつ、一通りザッと見る。僅かな情報でも、何かあったとしたらあれだけの会社だ、記事になってるはず。


何かあったとしたら――?


「俺、何でこんな必死に桐生財閥のこと調べようとしてるんだよ」


俺には桐生財閥とは何一つ接点がない、いくら地元の有名人だからって別に必死になるようなことじゃないだろう。


仮に何かあったとして、俺はどうするつもりだったんだ?ああそうか、で終わるだけじゃないのか?


興味本位で知ろうとしただけなのか。


自分で自分のした行動の説明が出来ず、俺は一冊の週刊誌を持ったまま考え込んでいた。


身体が無意識に動いたのは、初めての経験だった。


< 27 / 210 >

この作品をシェア

pagetop