高校四年生(ラジオドラマ化決定!)
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「退学の理由は現段階で聞き出す気はない、とるに足らない理由だろうからな。それよりも他に訊ねたいことがある、桐生美玲は中野北高校に通ってるかだ」
「生憎、俺は半年前から学校に行ってないんで知りませんね」
これが質問に対する俺の返答ミスであった。男は俺の退学理由に今は興味はないと言い切り、桐生美玲について訊ねてきた。俺は半年間不登校だから知らないと言った。
つまり、退学した理由は不登校にあると自ら暴露してしまった。
「なるほど、不登校か。引きこもりタイプでないと今のやりとりでも判断出来るから、何かのトラブルが原因だな」
「あんた……桐生美玲にしか興味ねぇんじゃねえのかよ」
「悪いな、真実を引き出すには嘘が必要なんだ。初対面なりの分析をしてみて、オレは君に興味が湧いてきた。直ぐ口調が変わる奴ほど分かり易い。どうだ、退学したんなら暇を持て余すだろう、オレの下で働く気はないか?」
「……意味わかんねぇ」
男は誰にも相手にされなかった空気を吸い込んだ。
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「退学の理由は現段階で聞き出す気はない、とるに足らない理由だろうからな。それよりも他に訊ねたいことがある、桐生美玲は中野北高校に通ってるかだ」
「生憎、俺は半年前から学校に行ってないんで知りませんね」
これが質問に対する俺の返答ミスであった。男は俺の退学理由に今は興味はないと言い切り、桐生美玲について訊ねてきた。俺は半年間不登校だから知らないと言った。
つまり、退学した理由は不登校にあると自ら暴露してしまった。
「なるほど、不登校か。引きこもりタイプでないと今のやりとりでも判断出来るから、何かのトラブルが原因だな」
「あんた……桐生美玲にしか興味ねぇんじゃねえのかよ」
「悪いな、真実を引き出すには嘘が必要なんだ。初対面なりの分析をしてみて、オレは君に興味が湧いてきた。直ぐ口調が変わる奴ほど分かり易い。どうだ、退学したんなら暇を持て余すだろう、オレの下で働く気はないか?」
「……意味わかんねぇ」
男は誰にも相手にされなかった空気を吸い込んだ。
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