高校四年生(ラジオドラマ化決定!)



俺は宛がないまま飛び出して、トボトボと歩く。別に今すぐ出ていけと言われたわけじゃないが、意味は同じ。


退学してフラフラする息子など居ても意味がないってことだろう。


子供はいつかは出てくもんだが、これほど後味悪い旅立ちは無い。


結局、俺は公園に行き着く。自分の部屋より長い時間居る場所になったが、居場所ではない。


金も無い、今日食べること、明日から食べていくこと、生きていく手段が俺に作れるのか、野垂れ死ぬのか?


1人になる時間が長ければ長いほど、不安が滝のように流れる。


なのに――


目の前が絶望しか見えない俺の背後を、眩しい光に照らされた。


無くした影を救うように……。


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