高校四年生(ラジオドラマ化決定!)



実際の真実はどうであれ、世間的にグルーヴモードが無実だと公表されるまで2ヶ月もの歳月が掛かった。


2ヶ月、中野北区の住民にとって地獄としか表現出来ない。連日、他の地域からバッシングは当たり前のように行われた。

旅行などで中野北区の住民と解れば、謂われのない誹謗中傷の陰口を叩かれた。


関係がないのに同じ土地に住んでいるという括りだけで犯罪者扱い、住民達は人間が怖くなった。

精神的に崩れていった。

そんな時に無罪だと情報が流れると、人々は次の新しいニュースへと切り替わる。


話題になれば食いつき、飽きれば離れる。


無関係な人はそれでいいんだろう。


けど、関係なくても関わらざるを得なかった者達にとっては永遠に忘れることがない傷痕を残した。


傷痕の原因が地元に戻る、歓迎などは皆無。憎しみの矛先は必然的に桐生美玲へと向けられた。


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