高校四年生(ラジオドラマ化決定!)



「無名じゃ載せて貰えない、採用して貰えないからな。新人時代は必死だった、そして何度も上司や同僚に潰された」


イジメか、社会に出てもイジメはあるって知ってたけど、何でこの人はサラッと言えてしまうんだろう。俺にはまだ理解しずらい。


「なあ、イジメって一生無くならないって思わないか?」


「そうっすね、それは共感します」


「だよな。これ見てみ」

遷崎は手帳から折り畳まれた紙を俺に渡す。


「えっと……」


「開いてみ」


遷崎の言うとおり開いてみると、色々細かく書いている文字をかき消すように黒いペンや蛍光ペンで大きく誹謗中傷が書かれていた。


「それはオレが中学の頃提出した自由研究の一部だ、テーマはイジメだったな」


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