高校四年生(ラジオドラマ化決定!)



俺は自分の名を名乗っただけで遷崎に全て見透かされてるような感覚に陥った。


「ヒビヤナオキ、よしこれからオレはナオキと呼ぶから、ナオキはオレを遷崎さんと呼べ」


「それは別にいいっすけど」


遷崎……頭の中でまで『さん』付けする必要はない、のに視線を合わせられるとこっちから外して萎縮してしまう。


「で、年齢は?」


「…………」


間が空く、学生服を着ていたんだから中高校生だと誰でも容易に推測出来る。けど、俺は留年して退学した。


実年齢“19”と遷崎に告げるのが情けなく思った。


「どうした」


「あ、いや、別に」



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