高校四年生(ラジオドラマ化決定!)



日比谷尚輝は中学時代、高校受験のストレスから本屋でマンガをスクールバッグに入れ万引きした。


店員にキョロキョロと辺りを見回してたのを不審に思われ警戒されていたらしく、店の入り口で声を掛けられ尚輝は後悔が脳裏に駆け巡った。


直ぐに警察と親を呼ばれ、何度も二度とやらないと謝罪した。


初犯と言うことと反省の色が見えたことから、今回だけは特別に反省文と謹慎だけで事なきを得た。


尚輝自身も深く後悔し、もう一度生まれ変わった気持ちで受験に取り組み、公立では上の中野北高校に合格した。


一年、二年は平和な学校生活を送っていた。本人は完璧に忘れ去ることは出来ないが、過去の過ちを薄く心の片隅にしまうことが可能になっていた。


が、一寸先は誰にも判らない。


一度の過ちが切欠でトラブルに巻き込まれ、最悪の展開に墜ちていく。


それは卒業を控えた冬のこと。


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