高校四年生(ラジオドラマ化決定!)



カラオケ店員から通報された刑事が、光村教頭に加害者とされた日比谷尚輝に事情聴取するため、署まで同行しろと言う。

尚輝は何度も無実だと、「署に行く必要なんか、事情聴取されることなんか無い」と断固拒否したが聞く耳持たず、力ずくで連れていかれた。


「だから俺は知らねえって!一緒に来てた友達が何かやったからヤバいって曖昧なこといきなり言われて、帰ろうとしたら犯人扱いされたんだよ」

「友人ねぇ、その友人に一応聴いてみたが知らないって言ってたよ」


「はぁ?意味わかんねぇ、冗談じゃねぇぞ、今すぐ薫を呼んでくれよ!俺は何もしてない。何で俺の言うこと信じてくれないんだよ!」


刑事に懸命に無実を主張する尚輝、あくまで光村教頭の供述を信じ尚輝が怪我をさせたと思い込む刑事の考えは平行線を辿っていた。


「今回、怪我も軽く被害者は君の通う学校の教頭だったから、そこまで大きくはならない。早めに自分のしたことを認め反省しなさい」


「被害者はこっちだ!ふざけんな、俺は後ろめたいことはしてない!第一酔っ払って絡んできたのはそっちじゃねぇか!」

感情に支配されていた尚輝は、自分の言葉の致命的なミスに気付けなかった。


< 76 / 210 >

この作品をシェア

pagetop