高校四年生(ラジオドラマ化決定!)
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「酔っ払って絡んできたのはそっち?よくご存知で。突き飛ばした本人だからだよな」
「な、そ、それは、薫から聞いたからだよ」
冷静に責められると動揺する、狭い空間で圧力を掛けられたら、悪くもないのに悪人になった錯覚に陥る。
「中塚刑事、これ……」
取調室に入ってきた部下は一枚の紙切れを上司の中塚に渡す。中塚は渡された紙に目を通すと、日比谷尚輝に対する視線を強くした。
「君、日比谷尚輝くんだね」
「何だよ、今更」
「中学時代、万引きした前科があるね」
一瞬、顔面蒼白、頭の中は真っ白になった。
「何だ、反省したわけじゃなかったのか。友人に罪を着せて虚偽の証言するとは、一度過ちを犯したら再犯免れないか。今回は軽くても打ち所が悪ければ問題だ、介抱する選択は無かったのか?」
なんで
呆れたように呟く?
過去の過ちが何故今?
このトラブルには全く
関係ないだろ?
俺は何もしてない
嘘なんかついてない
本当なのに
どうして誰も
信じてくれないんだ?
前科があるから?
軽くても罪は罪
けど、意味が違うだろ?
何も聞こえない
何も聞きたくない
もう、希望なんて見えない――
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「酔っ払って絡んできたのはそっち?よくご存知で。突き飛ばした本人だからだよな」
「な、そ、それは、薫から聞いたからだよ」
冷静に責められると動揺する、狭い空間で圧力を掛けられたら、悪くもないのに悪人になった錯覚に陥る。
「中塚刑事、これ……」
取調室に入ってきた部下は一枚の紙切れを上司の中塚に渡す。中塚は渡された紙に目を通すと、日比谷尚輝に対する視線を強くした。
「君、日比谷尚輝くんだね」
「何だよ、今更」
「中学時代、万引きした前科があるね」
一瞬、顔面蒼白、頭の中は真っ白になった。
「何だ、反省したわけじゃなかったのか。友人に罪を着せて虚偽の証言するとは、一度過ちを犯したら再犯免れないか。今回は軽くても打ち所が悪ければ問題だ、介抱する選択は無かったのか?」
なんで
呆れたように呟く?
過去の過ちが何故今?
このトラブルには全く
関係ないだろ?
俺は何もしてない
嘘なんかついてない
本当なのに
どうして誰も
信じてくれないんだ?
前科があるから?
軽くても罪は罪
けど、意味が違うだろ?
何も聞こえない
何も聞きたくない
もう、希望なんて見えない――
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