高校四年生(ラジオドラマ化決定!)のレビュー一覧
主人公尚輝は、とある事情からダブり、不登校を重ねる無気力な高校生。 ある日、いつも入るコンビニで出会った虐めを受ける少女と、フリーのジャーナリストがきっかけで、彼の止まった時間が動き出す………。 この物語の中には、いくつものストーリーとそれに繋がる布石があります。 一度では読み足らず、二度、三度読み返すことで、更にその謎は深まりました。 200頁では足りない、と思ってしまう展開と内容。物足りない、とても良い意味で。 『尚輝』という少年の気持ちの変化を綴るには良い終わりだと思います。 しかし……謎の布石を回収しきり、是非ともスッキリしたい。 シリーズを全部読みたいと決意させられる程に引き込まれました。 少年の、ひとつのスタートの物語の一部始終、青春ミステリーとその布石を回収しつつ、是非ご賞味あれ。
現代社会の諸問題を突き詰めようとする、その姿勢には頭が下がる思いです。 日々、私達が思い悩むテーマをストーリーに盛り込みつつ、軽快なテンポで読ませる手腕にも驚きです。 これを読んだ後、私と同様、皆さんも“なぜ”“どうして”に結論を見出だし、納得することでしょう。 まずは読んでみて下さいましな♪
あることがきっかけで人間不信になってしまった主人公。 綺麗事だけではやっていけないこの世界。 自己保身を第一に考え、平気で自分の罪を隠蔽する権力者。 まるで本当にあったことのように、リアルなお話でした。 理不尽なことばかりの世の中ですが、希望もあるんだということを感じさせてくれるお話でした! ある人との出会いによって、主人公が少しずつ希望を取り戻す姿は必見です!
友人の裏切りを受け、現実から逃げた尚輝。 イジメを受け、失声症に陥っても尚、学校に通い続ける美玲。 似ている境遇の2人は、全く別の生き方をした…… 人の心の淀んだ部分、社会の裏側を描いた作品です。 しかし、生きていく為にはそれらと向き合い前に進まなくてはならない。 向き合う勇気と、人との繋がりを感じさせてくれる物語です。 作品を通して作者様の技量を感じさせてくれます(・ω・)/
人を信じられなくなった。恋に臆病になった。 たった一度の過ち、されど過ち。 落ちこぼれた自分の居場所が見出だせなくて、ただただ過ぎていくばかりの毎日に嫌気がさして。 逃げるだけの弱い自分を奮い立たせたのは、怪しすぎるジャーナリストの彼だった。 * 自分の目の前でなされる悪に立ち向かえる人間は、ほんの一握りだろう。 そんな中で、自分が正しいと思ったことを貫けるのは、かっこいい。 たとえそれが失敗だとしても、“失敗は恥じゃない。失敗しないことが恥”なのだ。 読み進めていく中で、一歩踏み出す勇気の大切さを再確認させられました。 一人の少年の成長を、ぜひ最後まで見届けてみてはいかがでしょうか。 ご一読を。
すみません、率直に続きが気になりました(^^;) でもあとがきをみてこのラストにも納得! 高校4年生、考えつきそうでまったく頭をかすめなかったそのフレーズ この作品の中にはそんな、心に響くフレーズが随所に散りばめられていて、上質なポエムを読んでいる気持ちにもさせられました(^^) うーんと唸る話の展開、こんなのどうやって思い付くんですか?
実際に起こりうるリアルな日常でした。 裏切り、不正、虐め、今、社会問題になっている内容ばかり、それの中に巻き込まれ人間不信になってしまった主人公。 しかし新たな出会い、虐めに合ながら強く信念を持つ人間と出会い、彼は変わって行く。 人生は捨てたもんじゃない、人はまだ信じられる。 そんな人たちと出会い、立ち上がる青年の物語です。 リアルな内容に是非一読を。
高校留年 そのままひきこもり そのまま、退学。 学校と、家、行き場を失った主人公は、1人のいじめられっ子と出会う。そして、正体不明のジャーナリスト。 2人の出会いが、彼に、一歩進む勇気を与えてくれた。 絡み合う人と人。 その中に見えるのは、欲望だったり、弱さだったり、強さだったり。 人はとても自分勝手で、とても弱く、そして流されてしまうことがある。 不満を他人にぶつけてしまうときがある。 だけど だからこそ、助けたくなる、強くあろうとする。 人はどこかでいつも人と絡み合っている。 「人が大好き」 この台詞がすごく好きです。 どうなるのだろうと続きが気になって一気に読んでしまいました。 そして彼らのこれからを、ひっそりと応援したくなりました。 是非、ご一読ください。
――今日もまた、ケムリに包まれたような一日が始まる。 昼もなく、夜もなく 始まりもなければ、終わりもない。 白でもない、黒でもない、境界線のハッキリしないこの世界は、どこまでも果てしなく灰色(smoky)だ。 公園で寝起きする主人公、尚樹。 トイレに頬を擦り付けられるお嬢様、美玲。 誰からも見捨てられた2人は、やがて―…? ◆ 善とは何だ? 悪とは何だ? 人とは何だ? 愛とは何だ? 人と物との境界線は? 嘘と真実の境目は? 混沌の中で、答えを求め、叫び続ける声が聴こえてくるよう。 ◆ 最後に、尚樹にとって一筋の光となった歌の一節をもって、拙いレビューに代えさせていただきます。 『ケムリに包まれた犠牲者が 魂込めて叫んでいる』 『世の中を汚染する憎いヤツら 目には見えない涙を流してる』