LOST MUSIC〜消えない残像〜
「ぜってーデビューしような!」
こんなくさいことを平気で言ってくる雅臣。
「あぁ、もちろんだ」
そんな真っ直ぐな言葉に迷わずこたえられた俺。
そして、雅臣は拳を突き出し、俺は自分の拳をこつんとあてる。
――これは俺等だけの、仲直りと約束の時にする合図――。
この合図のあとは、決まって弾けるように笑い合うんだ。
まるで、俺等の友情の証のように。
この頃の俺等はみんな同じ場所を見つめてた。
雅臣も、千秋も、智也も、俺も、そして、星羅も――。
夢を信じて前だけを向いてたんだ――。