LOST MUSIC〜消えない残像〜
ベガとアルタイル
――懐かしい声が風にのってやってくる。
「きれいだね」
その声のもとへと視線を移せば、そこには一人の少女が立っていた。
木に寄り掛かり、星々の明かりに青白く照らされた星羅の姿。
満足そうな笑顔を浮かべる彼女の視線の先には、無数の星に形作られた煌めく川が――。
……そう、夜空に浮かび上がる幻想的な天の川――。
まるで、幻を見ているようだ。
星羅はそんな光景を飽きることなくうっとりと見上げている。
すると、ふと俺に笑顔を見せた。
「きっと、奏斗とだからこんなに綺麗なんだね」