LOST MUSIC〜消えない残像〜
ひんやりとした夜風とは裏腹に、一気に熱を帯びる俺の顔。
星羅ときたら、俺の気も知らないで、いとも簡単にこんなこと言いのけるんだ。
そりゃ、俺だって思ってないわけじゃない。
天の川よりもよっぽど星羅の方が綺麗だって――。
でも、こんなこと口が裂けたって言えるかよ……。
「……別に誰と見たって見えるものは同じだろ」
だから、これが俺の精一杯の照れ隠し。
「ううん、一緒なんかじゃないよ。奏斗と見るからもっと輝いて見えるの」
ほら、また星羅は可愛いことを言う。
星羅は俺を照れさせる天才だ――。