LOST MUSIC〜消えない残像〜
葉が揺れる音も、夏の虫の音も、全てが遠退いて、耳に届くのは星羅の声だけ。
目にうつるのも星羅の姿だけ――。
風で膨らむ白いワンピース。
流れるように後ろへなびく長い髪。
髪が流れて、星明かりに照らされた透き通る白い肌。
そして、星より輝くガラス玉のような瞳。
その全てが俺の心を放さないんだ――。
星羅の存在は、俺の心をこんなにも締め付けて、こんなにもあつくさせる。
多分俺は一生星羅には適わない。
だって、昔から星羅は俺の星なんだ。
星羅なしで生きられるわけないだろ――。