LOST MUSIC〜消えない残像〜
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どっちが変わってしまったんだろう?
この星空と、今の俺。
昔のようにいつもの丘から見上げた星空は、すっかり輝きを失っていた。
漆黒に塗り潰された闇夜のように……。
まあ、今の俺にはぴったりかもしれないが。
闇が何もかもを見えなくし、まだ冷たい夜風のナイフが身を容赦なくさしていく。
そして、眼下に広がる人家の群れは、遠く俺を取り残すように人工的な明かりを放っていた。
まるで、
お前なんかさみしい独りぼっちなんだと、
お前の時間だけ止まっているのだと、
――嘲笑われているようだ……。