LOST MUSIC〜消えない残像〜
唇をきゅっと結び、スコアに視線を落とす錫代。
「何言ってんだ?この曲ができなきゃ、Stellarとはいえないぞ」
ドラムの向こう側から雅臣がぶっきらぼうな言葉を投げ掛ける。
「そうだよ、これぞStellarなんだから」
千秋も誇らしげな笑顔を浮かべてる。
でも俺には、そんな二人の何気ない言葉が、胸に刄のように突き刺さった。
二人の言うとおりStellarにしか歌えない歌。
――そう、諦めずに輝きを届ける六等星だけが歌えるんだ――。
だから、俺には歌えない。
もう六等星のようにはなれないから……。